〇H30.10.2(火)の講座概要

◆午前の部(10:00 ~ 12:00) 教室:東洋ビル

◎「なにわ・堺の伝統野菜を知ろう」 講師:森下 正博 様(農学博士)

 

◆説明(12:00 ~ 12:20)

◎次年度(平成31年度)の堺東校(堺校改め)、北野田校(新設)のカリキュラム等について、泉川南部統括から説明がありました。

 

◆午後の会場への移動   東洋ビル ⇒ 和献洋彩「にんにん」堺東駅前本店

 

◆午後の部(12:45 ~ 14:45) 会場:和献洋彩「にんにん」堺東駅前本店 3階

◎地元の料理を身近に/食事体験

総料理長・中辻利宏氏(毎日放送『ちちんぷいぷい』毎週火曜日出演中)による地元&季節食材を使った創作ランチコース(ワンドリンク付)を体験しました。  


〇野菜はどこからやってきたのだろうか?

古来日本原産の野菜は、「ミツバ」「ウド」「セリ」「フキ」の4種類であった。

奈良時代~明治時代の間に色んな野菜が渡来した。

 

〇堺の有名伝統野菜

・舳松瓜(へのまつうり)

和泉国舳松村松(堺市街地南東部)で栽培されていた「甜瓜(まくわうり)」、1645年の書籍(「毛吹草」)に出ている。

「甜瓜」の名は、美濃国真桑(まくわ)村産の瓜の種が伝わり、「まくわ」と呼ばれたのこと。

・甘藷(かんしょ、さつまいも)

「甘藷」は1611年薩摩に伝来、1688年(元禄年間)、水野伊予守(当時、堺奉行)が和泉国鳳郡久世村大字半田東山(堺市中区東山)で栽培させた。当時は「白いも」であった。その後、松屋新田から今の難波、木津、住吉新田あたりで作られ、当時から浪華の人達の最も参詣が多かった住吉大社の門前町の店々で、蒸し芋として売り出されたとのことです。

・貝割菜(かいわりな)

貝割大根(かいわりだいこん)とも呼ばれ、石津、湊の砂地で多く栽培された。

 

〇なにわ伝統野菜の基準

2005年(平成17年)に認証制度が創設された「なにわ伝統野菜」の基準は次の3点です。

1.100年前には栽培されていたもの

2.種子来歴が明らかなもの

3.現在大阪府内で栽培されているもの

 

〇なにわの伝統野菜は現在18品目認定

認定品目は、毛馬胡瓜天王寺蕪、玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり)、田邊大根金時人参、勝間南瓜(こつまなんきん)、芽紫蘇(めじそ)、高山真菜、高山牛蒡、大阪しろな、鳥飼茄子、服部越瓜’はっとりしろうり)、三島独活(みしまうど)、吹田慈姑(すいたくわい)、泉州黄玉葱(せんしゅうきたまねぎ)、守口大根、碓井豌豆(碓井豌豆)、難波葱(なんばねぎ:育て方はこちら)の18品目。(旧泉州地域1品目、旧河内地域2品目、旧摂津地域15品目) 

詳しくは大阪府のHP(http://www.pref.osaka.lg.jp/nosei/naniwanonousanbutu/dentou.html)をご覧ください。

・毛馬胡瓜(けまきゅうり)

「大仙毛馬1号」という品種がある。黒イボきゅうり。

・金時人参(きんときにんじん)

ニンジンの原産地はアフガニスタン、中国等を経由し伝来したのが「赤ニンジン」、金時人参は赤ニンジン系。アフガニスタンからヨーロッパを経由し伝来したのが「色ニンジン」系のニンジン。金時人参はは住之江の砂地で多く栽培された。

・田邊大根(たなべだいこん)

栽培されていた場所から「横門大根」とも呼ばれている。(さるお寺の横門が栽培地であったことから)

・ 天王寺蕪(てんのうじかぶら)(「葉」を食す場合は「天王寺菜」とも呼ぶ)

1735年の「諸国物産帳」にもその名が見える。「かぶら」の「形成層」がしっかりしているのが特徴。

信州名物「野沢菜漬け」のもととなる「野沢菜」は「天王寺蕪」の子孫だとのこと。(ただし、Wikipedia「ノザワナ」には次の記述もある。『1756年、野沢温泉村の健命寺の住職が京都に遊学した際、大阪市天王寺で栽培されている天王寺蕪種子を持ち帰り、その子孫が野沢菜となったとの言い伝えによる。しかし、種子表皮細胞ほかに対する遺伝的研究[1]から、これは否定されている。』)

 

〇時代への継承 (森下先生のレジメを転載)

・人間もこの世の中の一生物に過ぎない

食物連鎖(域内の餌で生き残れたわれわれも一生態系に過ぎない)

・野菜の品種特性と地域性

遺伝的多様性(様々な環境圧を乗り越えてきたパワー)

人にも野菜にもそれぞれの道がある(多様性を維持し出口を見出す)

・食文化を時代に継承

食育で大活躍のなにわの伝統野菜たち

健康な食から健康な心身を育もう(料理、年中行事、祭り、芸術etc.)

食のものさし

 

〇伝統野菜で「しんか」しよう(森下先生のレジメを転載)

真価、深化、進化

伝統野菜の石碑建立(玉造稲荷神社、阿倍王寺神社、生根神社、法楽寺)

歌、劇、絵本、缶バッジ、伝統飴野菜、伝統野菜焼酎、勝間南瓜てん、しおふき天王寺蕪、大ちゃんパン、毛馬胡瓜シャーベット、勝間南瓜チョコクランチ、せんべい、キーホルダー、黒門白瓜クッキー、箸置き焼き物、クッキー、伝統野菜漬け物、勝間南瓜ムース、わたがし、ゼリー、創作料理など

 

〇質問に対するご回答

Q1.伝統野菜の「種子」(たね)はどこで購入できるのでしょうか?

A1.「種子」は、天王寺の赤松種苗で購入できます。

(参考:赤松種苗株式会社 〒543-0056 大阪市天王寺区堀越町11番11号 Tel 06 6771 4560(代表)
Fax 06 6771 0301     URL http://www.akamatsu-tane.co.jp

 


◎地元の料理を身近に/食事体験

和献洋彩「にんにん」堺東駅前本店3階にて、総料理長・中辻利宏氏による地元&季節食材を使った創作ランチコース(下記写真をご覧ください)を体験しました。

残念ながら総料理長は、テレビ出演のためご不在でした。